アフリカでの生活
主人は帰国子女です。
幼少期に3年間、そして中3の始めから高3の初めまでのさらに3年間、6年間をアフリカで過ごしています。
幼少期のことはそんなによく覚えていないみたいですが、中高の3年間は主人の人生に大きな影響を与えています。
勉強はもともと得意な方だったみたいですが、日本の英語教育でちょっと成績が良かったくらいでは、現地の勉強になんてとてもついていけなかったそうです。
日本人学校は無かったので、インターナショナルスクールに入りました。
始めは中学生の勉強でしたが、高校生に上がると勉強の難しさが急激に上がり、辞書のような分厚い教科書をまず訳すことから取り組まなければいけなかったと。
しかし、主人はよく言います。
「あの3年間があったから、他のつらいことなんてそんなにつらく感じない。乗り越えられると思う」と。
前向きな言葉だけれど
アフリカの思い出話、結構良くするんです。
その度に、自分にはあの3年間があるから、つらいことでくよくよしない前向きな人間になれた、と言います。
でも、私にはずっと引っかかっていることがあったんです。
主人の人生で1番つらかったのはアフリカでの生活で、1度私とお別れしてしまったことでも、私が病気になったことでもないのだな、と。
私たちは、私の調子がおかしくなり始めたころ、しかしまだ病気だと自覚していなかったころに1度別れています。
私が突っ走って一方的に別れを告げてしまいました。
その後病院にかかるようになり、仕事も諦めざるをえなくなり、いろいろあっても支えてくれた主人と復縁しています。
そして主人は、統合失調症の私と、人生を共にしてくれるようになりました。
日々、いろんなつらさがあります。
現在進行形の悩みも尽きません。
でもそんな私とのいろいろなつらさより、「人生で1番つらかったことはあの3年間だ~」とよく言うんです。
共倒れはしてほしくないけれど
はっきりと言葉で、私と別れたり私が病気になったことと比べても、アフリカの方がつらかったんだよ、と言われたわけではありません。
ですが、上記のような話をたびたびするんです。
「あの3年間が1番つらかった」
「あの3年間があるから、他のことなんてそんなにつらく感じない」
主人は私と別れてもそれほどつらくなかったのか。
私が一生病気で、精神障がい者になってしまったことは、主人にとってはアフリカの3年間より軽い悩みなのか。
自分の強みはポジティブで楽天的なところだと自負する主人ですが、私のこんなにも大きなつらさは、主人にはそれほどではないのかと思うと、「どうして?」と思います。
共倒れなんてして欲しくないです。
そのためには、ある程度の鈍さが必要なのでしょう。
でも、本当に不思議で、悲しくもあります。