ベートーヴェン
皆さんが通われた小学校や中学校の音楽室には、音楽家の人たちの肖像画って飾ってありましたか? 私の通った学校にはありました。
モーツァルトやバッハの肖像画は白い髪でクルクル巻いていますよね。
あの方たちの時代は、衛生面を気にして坊主にしていたので、人前に出るときはああいったヘアスタイルのカツラを着用していたそうです。地毛ではなかったんですね。
ベートーヴェンの肖像画は白髪スタイルではなく、黒髪と白髪が混ざったような爆発ヘアだったように記憶していますが、あれは地毛だったのでしょうか。
私はよく、ベートーヴェンを指されて「〇〇ちゃんみたいだよ(笑)」とからかわれました。
私は天然パーマです。
からかっていた人たち
小学校でも中学校でも、男女学年関係なく私は髪の毛のことをからかわれました。(小学校はとても少人数だったので、学年の垣根があまりありませんでした。)
相手との関係性や言い方で、許せるものと許せないものがありました。
普段からマウントをとってくるような女子と、たいして仲良くない男子は、ほぼ後者でした。
アフロヘアやドレッドヘアのキャラクターや有名人が現れるたびに、「似てるんじゃな~い?」といやらしく笑われ、縮れ毛の様子から下品なことを言われることもありました。
何もしてくれなかった親
当時の我が家のシャンプーは、お歳暮でもらったような安価なものでした。天パなのは私と父と祖父で、私以外の女性陣は普通の髪質でした。
なので家族はどんなシャンプーでも平気で、私だけがクルクルの上に、毛質が弱いのでダメージもひどかったです。
中学に入ったくらいから、くせ毛に良いとうたうシャンプーを買ったり、ドライヤー前に付けるミルクやオイルを買うようになりました。
ヘアアイロンも買いました。当時のものは今より高価で、性能は低かったです。
今から数年前の話に飛びますが、母が幼いころの写真が出てきて、どれが母なのかと探していると、「お母さん小学校のころ、おしゃれパーマかけとったから、分からないんでしょ!」と言いました。
おしゃれパーマ?! 50年前の小学生がおしゃれパーマ?
私には高校生になるまでストレートパーマをかけさせてくれず、ブローしたり、伸ばしてヘアアレンジをするようなこともしてくれなかったくせに、自分は小学生でパーマ!?
怒り心頭でした。
私が子供時代、髪の毛でどんな思いをしたか。
怒りをぶつけましたが、「あーそりゃ悪かったねぇ」と言う返事でした。
からかっていたはずの人たちが
高校生になったころから、私は親を説得してストレートパーマをかけさせてもらえるようになりました。お金も施術時間もかかるので大変でしたが、長年の呪縛から解き放たれた気分でした。
しかしこのころから、私のようなこんがらがったパーマではなく、ちゃんと美容院でかけたようなパーマに憧れる女子が現れ始めました。
もともとはちょっと癖がある程度のくせに、コテで巻いて「あたし天パだから~」と言い出したのです。
天パ。つまり「これは自然のスタイルで、わざわざパーマかけた訳じゃないのよ」アピールです。確かに、美容院でパーマをかけてはいないかも知れない。でもコテで巻いたり、ムースとかつけてくしゅくしゅしてるよね!?
これまで私の天パを馬鹿にしてきてた人たちが、自分も天パだと語り始めたのです!
私は許可しません
天パとは、湿気で前髪がみんなして横向いちゃってどうにもならない人や、子ども時代アフロだベートーヴェンだ失敗した博士だと馬鹿にされた人だけが名乗れるものなのです。
耳の後ろがちょっとうねっている程度だったり、梳かしていないからちょっとウェーブしているレベルの人が、コテで巻いて作ったカールを「もともとなんですぅ~」と偽装するためにあるものではありません!
昔、さんざん馬鹿にしたくせに;;//
今はストレートパーマかけていません
明るい色に染めたり、ブローの技術を得たり、ヘアアイロンを使ったり、ムースであえてくしゅくしゅしてパーマを活かしたり。
私は現在、ストレートパーマをかけるのをやめました。
初めてストレートパーマをかけたとき、長年の呪縛から解き放たれた気がしましたが、パーマのままで思うようなヘアスタイルが作れるようになった今の方が、本当に解き放たれたと言えるのだと思います。
大泉洋さんも天パです。
道尾秀介さんも天パです。
あいみょんも天パです。
あいみょんはスタイリングでまっすぐになっているので私より軽症な気がしますが、好きなので良しとします。
何年もコンプレックスでしたが、今は私のアイデンティティーだと言えます。
泣いていたあの頃の私に、大人になったら天パと仲良くなれるよと教えてあげたいです。
その他に、辛いことはいっぱいあるけどね。
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