安いプレゼントを喜んでくれる男
だいぶ昔の、たしかクリスマスのことです。
当時まだ恋人だった主人に、私はひざ掛けをプレゼントしました。包んでいた巾着を
バサッと開けて、「ひざ掛けだ~、ありがとう!」と喜んでくれる主人。
お金が無かった当時の私。私からのプレゼントが安い物でも、そこに金額を合わせたりせず、クリスマスも誕生日もホワイトデーも素敵なプレゼントを返してくれた主人。
このときもお金が無くて、安い物しか贈れなかった私。安い物だろうと分かっていても、不満を漏らすどころか、満面の笑みを見せてくれた主人。
私は泣いてしまいました。
涙の理由
私が泣き出した理由は、ひざ掛けを包んでいた巾着を、主人が乱雑に開けてバサッと横に置いたからです。
その巾着は、私の手作りでした(笑)
どちらかと言えば、ひざ掛けがおまけで手作り巾着がメインでした。
当時の主人は出張が多く、いつも着替えをビニールの袋に入れていたので、着替えが入るような大きな巾着を作ってプレゼントしたのです。
生地も紐もイチから選んで、ひと針ひと針、一緒に住んでいた主人の目を盗んでコソコソ手縫いした巾着でした。
それをただの包装と勘違いし、バサッと開けて横にポイっと置いた主人。
巾着だけでは寂しいと思い、おまけで入れたひざ掛けを喜ぶ主人。
泣く私に戸惑う主人。
説明する私。
謝る主人……。
ときは流れ、ほとんど出張の無い部署に異動した主人ですが、巾着は旅行や私の通院のための帰省の際、温泉施設に行くときなどに、いつも使ってくれています。
ひざ掛けもちゃんと活躍しています。
翌日の夕食メニューを考慮してくれる男
先日、夕食に肉じゃがを作りました。
いつも肉じゃがは多めに作って、少し残して翌日の朝食にします。もしくは、翌日の夕食の足しにします。
なので、「残りは明日の朝ごはんにするから」と言うと、主人、「朝はシリアルとかで良いよ。明日の晩ごはんにまた出したら良いじゃない」と。
朝食べてしまわずに、夕食のおかずとしてとっておけば、1品分ラクでしょうという心配り。
主人、優しい男です。
「う、うん。じゃあそうする」頷いた私。
本当はね
本当は、朝食べて欲しかったのです。
なぜなら、翌日の夕食はお鍋にしてラクしちゃえと思っていたから(笑)
肉じゃがが残ったことにより、定食的メニューを作ることになってしまった……。
「1品作るのが少なくてすむ定食」の準備より、「切って突っ込んで温めるだけのお鍋」の方が格段に簡単だったのに。
本音を言い合えない関係でもないのに、そうすると頷いてしまった私。主婦としての見栄が邪魔をしました。
手抜きしようとしていたところに優しさのパンチを決められ、ノックアウトでした。
結局、翌日のメインはほっけの干物にしました。ただ魚を焼くだけ。
これがせめてもの抵抗です。
(主婦の見栄はどこへ行ったのか……。)
優しくて大らかな主人と、今後も仲良く暮らしていきたい所存です。
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