ネガティブ主婦の一喜一憂ブログ

基本ネガティブですが、希望をもって生きてます。いろいろと持病がありますが、最低限のお薬でそこそこの状態を保って暮らしています。動揺しやすく繊細気質な私の、病気や日々の生活の一喜一憂を綴るブログです。たまに可愛いワンコ登場☆

【統合失調症5】 病気と暴力

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はじめに

統合失調症「他人に危害を加えるおそれのある危険な病気」「人格の荒廃に至る特殊な病気」と思われている方がいるかもしれません。しかし、それは本当でしょうか。

 

今回の記事では、統合失調症と「暴力」の関係についてお伝えしたいと思います。

 

 

深刻な暴力は治療の中断や再発による症状の悪化が原因

わずかですが、統合失調症の人が法に触れる行為をすることがあるのは事実です。

 

しかしそうした犯罪は、未治療、もしくは適切な治療を受けられていなかったか、勝手に服薬を中断した患者さんがほとんどです。

 

きちんと治療を受けていれば、犯罪を犯すまでに症状が悪化することはありません。

適切な治療によって、暴力をふるう危険性は著しく低下します。

 

全体的な犯罪発生率の中で、統合失調症の患者さんによる犯罪が占める割合は、決して高くないのです。

 

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危害を加える対象

統合失調症の患者さんが危害を加えるのは、他人よりも自分自身に対して危害を加える「自傷」の割合の方が、はるかに高いと言うデータがあります。

 

統合失調症の患者さんの40~50%が自殺を試み、そのうちの約10%が死亡しているという報告もあります。

 

また、統合失調症の患者さんが性的な犯罪を犯す可能性は非常に低いことが分かっています。

 

家族など、周囲の人の理解

程度の軽い暴力や暴言は、他人より家族などの身近な人に向けられることが多いとされています。

これは、背景として、家族に自分の思いが伝わらないことへの不満や焦りがあるからだと思われます。

 

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治療の勝手な中断と、薬物やアルコール

相手にけがを負わせるような深刻な暴力は、多くが治療(服薬)の中断や再発などによる症状の悪化が原因で起こります。

また、麻薬などの薬物や、アルコールの問題が関係していると、暴力的になる可能性が高くなります。

 

病気への偏見や誤解が患者さんを苦しめる

繰り返しになりますが、医師の指示通りにきちんと薬を飲んでいれば、深刻な暴力に発展することはありません。ほとんどの統合失調症の患者さんは、暴力的な行為とは無縁です。

 

病気への偏見や誤解は、統合失調症の患者さんをかえって追い詰めることになるので、多くの人に病気への正しい理解をもってほしいと心から願います。

 

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病気になっても人格が変わるわけではない

統合失調症は、古くは「精神分裂病」という名称でした。この病名は精神が分裂すると書くことから、二重人格や多重人格を想像させ、人格を否定する響きをもっていました。

しかし、統合失調症は決してそのような病気ではありません。

 

統合失調症は脳の病気

統合失調症は、脳の「さまざまな機能をまとめ上げる力」が一時的に失われる病気です。

そのために、思考や行動に一貫性やまとまりがなくなったり、現実に即した判断ができなくなったりします。

 

これはあくまでも病気のせいであり、その人の人格が変わってしまったり、その人らしさが失われてしまうわけではありません。

 

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精神疾患の「詐病

重篤精神疾患のある人が犯罪を犯した場合、罪に問われないことがあります。

そのことを狙い、犯罪者やこれから犯罪を犯そうとしている人が、自分が精神疾患患者であると偽る「詐病」が存在します。

 

精神疾患の診断において、精神疾患だと偽ってやろうという意思のある人に対して、それが詐病だと見抜くのはとても難しいことです。

悲しいですが、こういったことも、統合失調症などの精神疾患への偏見を強めているように思います。

 

統合失調症は「不治の病」ではない

統合失調症は、適切な治療を受ければ十分に回復する病気です。

患者さんにとって、統合失調症はその人の全体の一部でしかありません。他の病気と同様、病気の部分がきちんと治療されれば、再びその人らしさが戻ってきます。

 

そのためには、病気を正しく理解して適切な治療を受けてください。

早期発見と継続的な治療が大切です。

 

参考文献:『統合失調症 正しい理解とケア』 白石弘巳 (高橋書店

 

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