回復に必要な家族の接し方
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統合失調症の患者さんのほとんどが、自宅から病院に通院して治療することになります。
事情がありひとり暮らしの方もいるかもしれませんが、症状が活発な状態では、ひとりで生活するのは難しいと思います。
なので統合失調症にとって、患者さんと家族の接し方というのは、切っても切り離せない問題です。
前回の記事でも書いたように、患者さんの回復を促すために家族が心がける点は、主に次の3つです。
①批判的になりすぎない
②過保護になりすぎない
③情緒的に巻き込まれない
家族が患者さんに対して過保護になることは、患者さんの自立をさまたげます。
今回の記事では、この2番目の「過保護になりすぎない」について考えていきたいと思います。
自分でできることは自分でさせる
回復期に入ったら、身に回りのことなど、自分でできることはなるべく自分でさせることが大切です。
家族が過保護になって、世話を焼きすぎてしまうことがあるかも知れませんが、本人にできることにまで手を貸していると、世話をしてもらうことが当たり前になって、いつまでたっても自立できなくなってしまいます。
統合失調症は、社会・生活技能が低下する病気なので、身の回りのことを自分ですることが治療になります。
病気が良くなってから自立的生活を考えるのではなく、病気の回復過程から自立を目指すという考え方が大切です。また、患者さんも、自分でできることが増えていくと、生活する自信がついてきます。
患者さんとの間に、適度な距離感を保つ
家族は、患者さんを保護することと自立心を育てることのバランスを考えながら援助をする必要があります。
干渉しすぎたり、過保護になることは再発の原因にもなるといわれています。些細な行動をいちいちチェックしたりすることは、患者さんには大きなストレスになります。
家族は、患者さんとの間に程よい距離感を保ち、患者さんの回復を傍で見守るきもちで接することが大切です。
私の経験
私は病気を発症してから結婚後しばらくの間まで、病院には母に付き添ってもらって通っていました。
病院では母と2人一緒に診察室に入り、先生の診察を受けていました。
先生から「調子はどう?」と聞かれると、「良いよね?」と、必ずと言って良いほど母が先に返事をするというかたちで、診察が始まっていました。
私の意見を全く聞かずに母が一方的に話をしてしまうわけでは無いのですが、頻繁に「調子悪くないよね」「~~とか、楽しんでるよね」と、母がサポートするように私に聞いてきます。そして必ず、その答えは「調子はいい」という趣旨のものでした。
そのため、本当は不安定になったことがあったり、両親とのあいだにいざこざがあったりした話は、先生に伝えることができませんでした。
しかも、私は途中から地元を出て、ほとんどの期間を主人の家で過ごすようになったため、母が私の様子を見ているのはひと月のうち1週間ほどでした。
主人のもとにいる期間の不調をいちいち報告していなかったのもありますが、母はいつも「調子いいよね?」と先生の前では言っていました。
今は主人が一緒に診察を受けてくれるようになり、主人は私本人の言葉で話すように待ってくれるので、以前よりも不安定になったことや両親とのいざこざなど、マイナスな話題も先生に伝えやすくなりました。
ずっと私の病気の対応をしてくれて、今でも私が通院できない月には代わりに薬をもらってきてくれる母には、とても感謝しています。
しかし、本当は調子が良くなかったときもあったことを、私の口から先生に伝えにくくなる振る舞いはして欲しくなかったな、ということは正直思っています。
これまで、「批判的になりすぎない」「過保護になりすぎない」について考えてきました。次の記事では、3つ目の「情緒的に巻き込まれない」について考えたいと思います。
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