統合失調症の私のきもち。

統合失調症の私が感じている病気のこと、病気のまわりにくっついているいろんな悩み、そして日々の生活などを書いていきたいと思います。

【統合失調症15】「生活障害」を改善するにはリハビリが不可欠

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リハビリは、薬物療法と並ぶ治療の大きな柱

前回、統合失調症には、あとあとまで「生活障害」が残ってしまうことがあるという記事を書きました。

sentimentalover.hatenablog.com

 

統合失調症で生じた「生活障害」を改善するには、リハビリテーションが不可欠です。

 

今回の記事では、統合失調症によるさまざまな症状、そしてそれらの症状から生じる生活障害についても解説し、リハビリの目的やその大切さについてまとめていけたらと思います。

 

 

統合失調症の主な症状

統合失調症は、脳の中の伝達物質のバランスがくずれることで起こる病気です。

薬は、このアンバランスな状態を改善するように働きます。なので、神経伝達物質のアンバランスがもたらす妄想や幻覚などの陽性症状は、薬によって比較的短期間で改善します。

 

しかし、薬で症状が抑えられても、いったん傷ついた脳はなかなかもとには戻りません。

脳はまだ消耗した状態にあるため、喜怒哀楽が表現できない、考えを上手くまとめられない、周囲への関心がわかない、意欲が低下する、集中力が続かない、といった「陰性症状」や「認知機能障害」があらわれてきます。

 

※「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」については、コチラの記事をご覧ください↓↓

sentimentalover.hatenablog.com

 

生活のしづらさ「生活障害」

統合失調症による「陰性症状」や「認知機能障害」によって、対人関係がうまくいかない、社会に出る自信がない、仕事が長続きしないといった「生活のしづらさ=生活障害」が残ることも少なくありません。

 

統合失調症では、症状が改善していき薬である程度コントロールできるようになっても、社会生活を送る上では、大きなハンディキャップをかかえることになりがちです。

 

こうした困難やハンディキャップをかかえながらも、困難を乗り越え、よりよい生活ができるようになるためには、リハビリが重要です。

 

なお、統合失調症のリハビリは「心理社会的療法」ともいいます。

 

ノーマライゼーション

統合失調症のリハビリは、たとえ障がいがあってもその人らしく生き、生活の質(QOL)を高めることが目的です。

その考え方の中心にあるのがノーマライゼーションです。

 

ノーマライゼーションとは、障がいがありながらも、もっている能力を発揮して、社会の中で暮らしていくという考え方です。

 

なので、病気が完全に回復してからリハビリを始めるのではなく、症状があってもできる範囲で行っていくというのが、基本的な考え方です。

そのため、統合失調症では急性期からリハビリを始めます。
 

 統合失調症の治療において、リハビリは薬物療法と並ぶ重要なものであり、しかも自分でできる治療法です。

 

リハビリを始める時期

リハビリは、適切な時期に適切な方法で行うことではじめて効果が上がります。

急性期の場合は、まず症状を落ち着かせることが第一で、症状が安定するまでは十分な休息をとることが大切です。

 

症状が落ち着いてきたら、次に生活のリズムをととのえることを目標にしましょう。

昼夜逆転の生活をしていた人が昼間に起きていられるようになったり、テレビを見たり、音楽を聴いたり、新聞や雑誌を読んだりできるようになることも、広い意味でのリハビリです。

 

患者さんの意欲が戻り、それまでできなかったり興味を失っていたことができるようになる体験を、ひとつずつ積み重ねていくことが大切です。

この時期には、自宅に患者さんがくつろげる「居場所」があるということが非常に重要です。

 

症状がある程度落ち着いてきたら、それまで社会から離れていたことで失われてしまった能力や技能を取り戻すため、リハビリを少しずつはじめていきます。

 

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リハビリ施設の相談窓口

実際にリハビリをはじめようとしても、施設探しやプログラムの選択、手続きなど、良く分からないこともあるかも知れません。

また患者さんやその家族だけでリハビリの目標を決めると、つい無理をしてしまうこともあります。

 

リハビリをはじめるときは、まず専門家に相談してみてください。

 

医療機関で相談】

主治医の病院や診療所(精神科クリニック)の中には、デイケアを行っているところがあります。医師、看護師、作業療法士精神保健福祉士臨床心理士などのスタッフがチームを組んでリハビリに取り組んでいるので、問い合わせてみてください。

 

【地域の機関で相談】

各地域にある「保健センター・保健所」「精神保健福祉センター」「相談支援事業者(地域生活支援センター)」などの機関では、地域で活動している事業の状態を把握しています。

保険センターや精神保健福祉センターでは、デイケアを行っているところもあります。

 

【費用】

デイケアは、保健所では無料ですが、そのほかの施設では医療費の個人負担があります。ただし、役所に申請することで利用できる福祉制度があるので、そちらもあわせて活用して欲しいです。

 

※さまざまな福祉に関して、詳しくはこちらの記事を↓↓ 

sentimentalover.hatenablog.com

 

自分に合ったリハビリを選ぶ

統合失調症のリハビリには、患者さんを精神的にバックアップする「精神療法(認知行動療法も含む)」や、対人関係の練習や生活で必要な能力を身につけるSST生活技能訓練、遊びや作業を通じて集中力や持続力、作業能力の回復をめざす作業療法など、さまざまな方法があります。

 

また、病院やクリニックに併設されたデイケアという場で、同じ病気をもつ人たちと過ごしたり、スポーツやレクリエーション、趣味などのグループ活動に参加したりすることも、回復に役立ちます。

 

無理せずに取り組む

統合失調症のリハビリは、対人関係の回復、生活技能の改善、職業リハビリなどのいずれかに重きが置かれることがあり、目的によって方法や内容が異なります。

 

さまざまなリハビリがあるので、その中から自分に合ったものを選び、あせらずにゆっくり取り組むことが大切です。

 

無理をしたり、いきなり高い目標を設定したりしないことも大切です。無理せず気長に続けてください。

 

私自身、統合失調症患者として、同じ病気の患者さんの回復を心から願っています。

 

 

 参考文献:『統合失調症 正しい理解とケア』 白石弘巳(高橋書店