読みかけの本
『NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法』という本を読んでいます。
今まで読んだ心理学的なもの、自己啓発的なものの中でも、役に立つと思える本の上位に入ると思います。
こういった心のセラピー系の本は、今まで読み終わってもあまり身になった感じがしませんでした。
何と言うか、経験も無いのに名言を残したがるだけというか…。
そのため、これまで何冊も何冊もこう言った本を読んで、そしてすぐに内容を忘れていました。
(以前書いた「認知行動療法」の本はためになりました)。
しかし今回の本は、とても良い内容だと思います。
実験や研究、臨床的な経験に基づいて、セラピストである心理学者の人が書いた本です。
心の傷の種類を7つの章に分け、それぞれに対しての実例をあげて解説し、その傷への対処法を書いています。
私自身の心の傷は、この本で言う7つの傷のうち「大切なものを失ったとき ーー喪失やトラウマ」に該当するのではないかと思います。
自分にとってかけがえのないものだと信頼していた人間関係を失い、努力して掴んだ仕事を失い、健康を失いました。
このタイプの心の傷に関する手当ての方法として、「もしも」を考えるという方法が挙げられていました。
「もしも」を考える
「もしもあのときこうだったら…」と考えるのは、現実逃避のように思われるが、それは悪いことではないということ。
もしもを考えることで、その悲しい出来事が自分に起きた意味を掴み取ることができるかも知れないということです。
このとき考える「もしも」は、こうだったら良かったのに、ではなく、こうだったらもっと苦しいことになっていたかも…という、マイナスなもしもです。
本に書かれていた手当ての方法を、自分の経験で当てはめてみたいと思います。
1.もしあの出来事が起こらなかったら、あなたの人生はどんなふうに違っていましたか?
教員として地元に戻り、就職していた。
学生時代の友人と、変わらず友人関係を続けていた。
今の主人とは、別れたままだった。
主人と別れた後に付き合った元カレと、そのまま続いていたかも知れない。
アリスちゃんと出会わなかった。
2.もっと悪くなっていた可能性があるとすれば、どんな場合ですか?
教員になってから体調を崩し、無理をして働き続けるか、もっと酷い状態になっていた。
私が体調を崩して頼っていたら、遅かれ早かれ、元友人たちや元カレとの関係は悪くなっていて、さらにつらい思いをしていた。
教員を退職する手続きや片付けなど、大変なことをしなければいけなかった。
職場で倒れたり、ジサツ未遂を起こしていたかもしれない。
3.もっと悪い事態にならなかったのは、どういうことのおかげですか?
母が専業主婦で父は単身赴任だったので、母がひとり暮らしのアパートに2か月も来てくれ、看病してくれた。
帰ることのできる実家があって、ひとりにならずに済んだ。
主人に連絡をとったら、また会いに来てくれるようになった。
主人と1度別れていた期間に付き合っていた元カレは嫌な奴だったので、別れて良かった。
アリスちゃんが傍に居てくれた。
4.もっと悪い事態にならなかったことで、自分の人生はどれくらい良くなったと思いますか?
勤めた学校で騒ぎなどを起こさずに済んだ。
今こうして主人と暮らせている。
アリスちゃんと出会えた。
喪失やトラウマが与えてくれること
どんなに耐えがたい経験でも、終わってみればそこから学べる教訓や今後に生かせるものがある。
ただ、それは簡単なことではなく、人によっては何年もかかる、とこの本は言います。
けれど、得られたものが見つかれば、自分のやるべきことや人生の手応えが見つかるとも言います。
私の得たものは、私に無償の愛情をくれる人が分かったということです。
それから、健康を害してまで忙しくしていた生活から、ひとまず離れる人生を得たということです。
コレは逆に言えば、夢見ていた仕事を失ったということなのですが、先にも書いた通り、あのまま突き進んでいたらもっとどうにもならない不幸な状況になっていたかも知れません。
教師になれなかった代わりに、自分が何者になれるのかは、まだ分かりません。
でも、仕事でも立場でも、すべてのものに年齢制限があるわけではありません。これからでも、なっていくことができる何かはあると思っています。
今後もっともっと主人のことを大切にして、感謝を伝えて生きていこうと思います。
「マイナスな過去のもしも」を考えて得ることができるもののひとつが、今ある状況や人への感謝の心だそうです。
思うだけでなく、その感謝を伝えることが大事だと書かれていました。
明日からの帰省も、いろいろモヤモヤがありましたが母とはまた普通に話をしてみようと思いました。