起こってもいない不幸をおそれ、愛着の無い家で暮らす
ムーミンシリーズ6冊目を読みました。
『ムーミン谷の仲間たち』という、シリーズ唯一の短編集です。
その中の、『この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ』というお話に、とても感銘を受けました。
フィリフヨンカという噛みそうな名前は架空の生き物の名前で、個人名ではなくそういう種族です。
この章は、とあるフィリフヨンカの女性のお話です。
ネタバレですが、要約すると…
フィリフヨンカは、いいお天気の中でお洗濯をしていても、「こんな平和がずっと続くわけない。きっとこの世の終わりの恐ろしいことが起こる前触れだわ」と考えてしまうような、まだ起こってもいない、起こるかも分からない不幸におびえている女性でした。
そしてフィリフヨンカは、いろいろと事情があって、全く気に入っていない家に住んでいました。建物の壁の色も、家から見える暗い海の景色も気に入っていない。
そんなあるとき、フィリフヨンカがおそれていた、まるでこの世の終わりのような嵐が本当におとずれて家がぐちゃぐちゃになってしまいます。
家の外に逃げ出したフィリフヨンカは、ぐちゃぐちゃになった家を思い、これからどれだけの時間をかけて家を修復して行かなければいけないのだろうと暗い気持ちになります。
すると、嵐が去ったばかりだというのに、今度は竜巻が家を襲います。
その竜巻が、ぐちゃぐちゃになった家や家具の破片を、全て巻き込んで去って行きます。
ここでフィリフヨンカは、ものすごく自分が自由になったのだと感じ、起きてもいない不幸をおそれていたころの自分からは生まれ変わったような気持ちになるというお話。
実際はインテリアについて触れている内容や、お茶飲み友だちの女性も登場したりしていて、もう少しポイントはあるんですけれど。
簡潔に言うと、こんな感じの短いお話です。

ものすごく哲学的
起こるかどうかも分からない不幸や、もし起こっても今すぐでは無いだろうというような悲しみにおびえて、幸せなはずの時間も幸せに過ごせない。
まずこの時点で、私はフィリフヨンカにシンパシーを抱きました。
そして、そういう不幸なんて9割は実際に起こらないなんて言われるけれど、フィリフヨンカにはついに起こってしまいます。
けれど起こってみたら、それは世界の終わりなんかではなかった。
むしろ、ここから新しい自由な自分が始まります。
60年以上前に書かれたこのお話。
世界が今よりも貧しく、モノを所有することが幸福や富の象徴であっただろうこの時代に、作者のヤンソンさんはモノを失ったことで得た自由を描いています。
今の日本では断捨離だとか、何も無い空間の贅沢さだとか、ミニマリストやシンプリストだとか言った考えも浸透してきていますが、戦争を経験した女性がこの話を書くって凄いですよね。
フィリフヨンカは、竜巻が全てを飲み込んで行ったその時に自由を感じられますが、私はいろんなモノを失ったときにとても自由だなんて思えませんでした。
でも今、執着していたいろんなものを手放しつつあることを、自由だと思えるようになりました。
本当は苦しかったのに、しがみついていた目標や人間関係。
現代社会で生きていく中ですべてを手放せるわけでは無いけれど、「あのときいろいろ失ったおかげで今があるんだなぁ」と思うとホッとします。
苦しみながら進んでいたレールの続きを、もしかしたら今でも走り続けていたのかも? なんて思うと、恐怖ですよ^^;
今週は帰省です
さてさて、今週は木曜日から日曜日まで帰省です。
先日は主人の方の福島に行ってきましたが、今回は私の方の愛知です。
木曜日の午後に出発し、金曜日は私の通院です。
土曜日には、昨年もやった親族でのランチ会をします。
祖父母にと思って開催しているのですが、最初は行くと言っていた祖父が身体が痛いらしく欠席することになってしまいました。
心臓の手術をしていて、前々から長時間起き上がっているのはしんどかったのですが、車移動や食事中に横になりたくなったら迷惑をかけるからと言われてしまいました。
もう97歳なので心配です。
テイクアウトの豪華なお弁当が頼めるみたいなので、予約しておいて家で夕食に食べてもらうつもりです。
日曜日には、アリスちゃんの一周忌代わりに、ペット葬祭が開催している合同法要に参加します。
例年は9月にも開催されているのでそのときに参加しようと思っていたのですが、今年はあちらの都合で中止になってしまい、今回の参加となりました。
合同の会ですが、お寺でお経をあげてもらってきます。
昨年もこの時期の会に49日のつもりで参加したのですが、めっちゃラズベリーみたいな色のニットを着て行ってしまい、他の方たちは暗めの服が多かったので気をつけようと思います。
ほとんどの方が普段着でしたが、ちゃんと喪服スーツで来ているパパさんも居ました。
反省。
あまり空いている時間が無いですが、実家の片付けも進められたらと思います。