セルフ認知行動療法、始めてみました
ちょっと前に、認知行動療法というものについての記事を書きました。
sentimentalover.hatenablog.com
具体的にどういった内容なのか気になったので、本を買って、セルフで取り組んでみることにしました。
認知行動療法には、いくつもやり方があるみたいです。まだ始めたばかりなのですが、これまでにやってみたことを簡単に紹介したいと思います。
この本を買ってみました↓↓
嫌な出来事を文字で書きだして、点数をつける
いつ、どこで、何があったのかを、まず文字にして書き出してみます。
今回私は、友人だと思っていた子が結婚式に呼んでくれず、報告もしてくれなかったときのことを思い出してしまい嫌な気分になっていたので、その内容を書いてみました。
【いつ?】
×月×日の午前中、ブログを書いているとき
【どこで?】
パソコンの前で
【何があった?】
ブログを書きながら、○○ちゃんが結婚式に呼んでくれなくて、報告もしてくれなかったことを思い出してしまった。3年会わなかっただけで、そんな扱いをするなんてひどい。その後、結婚を知ってからお祝いを贈ったり、年賀状のやりとりも快諾したりしたことを後悔したきもちがぶり返してきた。
次に、このときの気分を書きだし、点数を付けます。
・怒り 85点
・悲しみ 80点
・屈辱 90点
・後悔 80点
状況と自動思考を書きだす
次に、先ほど書いた出来事の中から、状況と思考をそれぞれ考えます。
ここでいう思考とは「自動思考」のことで、自分の心にまず自然と浮かんでくる思考のことです。
【状況】
ブログを書いていたら、過ぎたことを思い出して嫌な気持ちがぶり返した。
○○ちゃんは、私を結婚式に呼んでくれず、報告もしてくれなかった。
○○ちゃんとは高校時代とても仲良くしていて、大学に入ってからも連絡をとり、病気になってからも会う機会があったけれど、この時点では3年ほど顔を合わせていなかった。
結婚を知って、私はお祝いを贈り、年賀状のやり取りも始まった。しかし今は、年賀状のやりとりはやめた。
【自動思考】
私は結婚式に呼ぶ関係以下だと判断された。報告する必要もないと思われたなんてひどい。
仲良くしていたと思っていたのに、3年会わなかっただけでこんなあつかいをするなんて悔しい。
△△ちゃんや◇◇ちゃんは式に呼んでいたのみたいなのに、悲しい。
お祝いなんて贈るんじゃなかったし、年賀状のやり取りも快諾しなければ良かった。
自動思考の検証
それでは、自動思考に浮かんだ内容の、その「根拠」と「反証」を考えてみることにします。反証とは、ホントにそうなのかな? と、それを否定する考えです。
そして「適応的思考」を導きます。
適応的思考とは、現実に即した、認知のゆがみのない思考です。無理にポジティブに考えるのではなく、「~~な面もあるけど、すべてそうとは言い切れない」のようなことに気づけるのが良い適応的思考です。
私の例で、自動思考を一部抜粋して考えてみます。
【自動思考】
私のことを結婚式に呼ぶ関係以下だと判断された。3年会わなかっただけでこんな扱いをうけるなんて悔しい。
【根拠】
実際に式に呼んでくれず、報告も無かった。
【反証】
「結婚式に呼ぶ関係以下」という位置づけをしたかは、本人にしか分からない。3年会わなかった相手を結婚式に呼ばないのは、必ずしもひどい扱いとは言えない。仲良くしていても、3年会わなかったら連絡をとらなくなる人もいる。
【適応的思考】
どういう考えがあって私を式に呼ばなかったか、報告もしなかったかは本人にしか分からない。時間の感覚は人によって違う。濃い3年間を過ごす間に会わなかった場合、「もう疎遠になった」と判断する人もいる。
この過程を終えて、再度気分を点数化する
・怒り 85点→75点
・悲しみ 80点→80点
・屈辱 90点→70点
・後悔 80点→80点
点数が変わらない気分もありましたが、怒りと屈辱に関しては下がりました。特に屈辱は20点もマイナスすることができました。
その理由は、「3年会っていない」相手への気持ちが、人によって違うんだと気づいたからです。
私は病気になってから、時間の止まったような生活をしていたので、3年しかたっていないのにという考えでいました。またこのころ、5年くらい会っていなかった別の友人(この話の友人と同じくらい信頼して仲良くしていた相手)が結婚式に呼んでくれた直後で、その子からの扱いと比べてしまっていたことにも気づきました。
私には止まったような時間、別の友人にとっては私のことを式に呼びたいと思ってくれた時間であっても、この友人には違ったのだと言うことです。
自分のことを考えても、中学や高校、大学などの濃い時間を3年間も離れていたら、連絡をとらなくなっていった相手がいます。彼女にとっては、就職して新しい人間関係ができて、その間に交際が始まった相手と結婚が決まるという3年間はとても濃いもので、そこに存在しなかった私の存在感は、とても薄くなっていたのだと思います。
彼女の中で私がランク付けされ、低い位置に置かれたのだと思っていたので「怒り」「屈辱」というきもちが強くありました。しかし、自然と薄くなっていった存在だったから呼んでくれなかったのかなと思うと、この負の気分を少し下げることができました。
仲が良かった相手と疎遠になってしまったことの「悲しさ」や、自分のきもちに嘘をついて良い顔をしたことの「後悔」は変わりませんでしたが、「怒り」と「屈辱」が下がっただけでも成果があったと思います。
まとめ
今回紹介した方法は、かなり端折ってしまったところもあります。なので、興味を持たれた方は、どうぞご自身でも本を買ったりして取り組んでみてください。自分の「認知のゆがみ」の傾向にも気づかされます。
私自身は、自分にも他人にも「~すべき」と考える認知のゆがみを強くもっており、その傾向が特に強いのだと再確認しました。
マンガなどで分かりやすく解説する本もあるし、教えるだけでなく、ワークブックタイプになっていて、自身で書き込みながら進められるものもあります。
大人向けのものだけでなく、10代の学生さんに向けた本や、親御さんや先生がサポートしてお子さんと取り組めるものもありました。
私は自分を包んでいた暗いものが取り払われていく感じがして、すこし気分が良くなりました。まだ始めたばかりなので、もっと学んで取り組んでいきたいです。
参考文献:『今日から使える認知行動療法 「思考のクセ」に気づけば、心はスッと軽くなる』 監修 福井至 貝谷久宣 (ナツメ社)