ネガティブ主婦の一喜一憂ブログ

基本ネガティブですが、希望をもって生きてます。いろいろと持病がありますが、最低限のお薬でそこそこの状態を保って暮らしています。動揺しやすく繊細気質な私の、病気や日々の生活の一喜一憂を綴るブログです。たまに可愛いワンコ登場☆

【統合失調症16】認知行動療法によるリハビリ

Sponsored Link

精神疾患に効果のある認知行動療法

先日、統合失調症による生活障害の改善には、リハビリが不可欠であるという記事を書きました。

sentimentalover.hatenablog.com

 

統合失調症に効果のあるリハビリの中でも、精神療法として注目されているのが認知行動療法です。

 

認知行動療法は、もともとうつ病や不安障害の患者さんに対する治療法として行われていましたが、統合失調症の患者さんにも有効であることが実証され、統合失調症の治療ガイドラインでも推奨されています。

 

今回の記事では、この認知行動療法について詳しくお話しできたらと思います。

 

 

歪んだ認知と不適切な行動の両方を改善

認知行動療法は「認知療法」と「行動療法」の2つが統合された治療法で、アメリカで開発されました。

 

認知療法は、その人の考え方や認識の仕方(認知)に焦点をあてて、極端な考え方や認識の仕方(認知のゆがみ)の修正をはかりながら問題点を解決していくものです。

行動療法は、不適切な行動は誤った学習の結果と考えて、徐々に適切な行動をふやしていけるように再学習を行っていくものです。

 

認知・行動・感情の3つのバランスをとる

認知行動療法の基本となるのは、「認知(考え)」「行動」「感情(気分)」の3つの要素です。

この3つの要素のバランスがとれているかどうかを見ながら、問題解決の糸口を探っていきます。

 

認知や行動、感情の一部だけに注目していると、人間関係や仕事上で失敗したときなど、その原因がどこにあるのかに気づくことができません。

 

認知行動療法は、この3つの関係性に着目し、認知の内容を深く掘り下げ。自分ではコントロールできない「自動思考」を自覚して、マイナスとなる考え方を修正するきっかけを見出します。

※「自動思考」とは、ある状況に置かれたときに自然と浮かんでくる思考やイメージのこと。

 

f:id:sentimentalover:20210218111918j:plain

 

「認知のゆがみ」の例

二分割思考(両極端な思考)……何事も「白か黒」「マルかバツ」「全か無」「善か悪」など、両極端に分けて考える

 

過度の一般化……1つの良くないことがあると、「いつも決まってこうだ」「うまくいったためしがない」などと考える

 

破局形成……いつも最悪の事態を考えており、しかもそれが自分に起こる確率が高いと考える

 

マイナス思考……良いことがあっても「たまたまだ」「まぐれにすぎない」と否定的に考える

 

感情的決めつけ……理由もなく「~に決まっている」と決めつける

 

恣意的推論……十分な根拠もないのに。ものごとを悲観的にとらえ、勝手に推測して判断する

 

否定的予測……ささいなことからいつも否定的な予測が浮かぶ

 

自己関連づけ……自分はいつもだれかから見られていると考える(特に悪い行い)

 

過度の責任感……何か良くないことが起った場合、すべて自分に責任があると考える

 

すべき思考……何かやろうとするとき、絶対に「~すべきだ」「~すべきではない」と考える

 

選択的抽出……あることにだけ強くとらわれる

 

低い自己評価……自分は何をやってもまともにできない、他の人より劣っていると考える

 

拡大視・縮小視……あることを極端に大きく考えたり、逆にささいなことだと感じたりする

 

スキーマを修正することが治療へとつながる

自動思考をとらえて言語化してみると、認知の意外性に気づくようになります。

さらに認知を掘り下げていくと、自分のスキーマを発見します。

 

スキーマとは、その人自身の持って生まれた要因や生まれ育ってきた環境などから育まれてきた人生観や価値観、個人的な信念、ものの見方などです。

 

f:id:sentimentalover:20210218111942j:plain

認知行動療法の基本は、認知、行動、感情の3つの要素のバランスがとれていること。

自動思考とスキーマをとらえることによって、認知の全体像が見える。

自動思考、スキーマは行動や感情にも影響を及ぼす。

スキーマを修正することが、治療へとつながる。

 

自分のスキーマに大きな問題があるために、誤った信念が症状を引き起こしていることに気づき、その信念がいつも正しいわけではないことが認識できれば、そこから治療への道が開けます。

 

陰性症状だけでなく、陽性症状にも効果がある

統合失調症の場合、急性期の陽性症状がおさまると、「感情の平板化」「意欲の減退」「集中力・持続力の低下」「自発性・自主性の低下」などの陰性症状が前面に出てくることが多くなります。

こうした陰性症状の改善に、認知行動療法は有効です。

 

また、抗精神病薬による治療を十分に行っても、なお持続する幻覚や妄想などの陽性症状に対しても、認知行動療法は効果があるといわれています。

 

幻覚や妄想に対する認知行動療法では、

①幻覚や妄想を誤った信念からくる病理現象ととらえる

②陽性症状によって引き起こされた苦痛や自尊心の低下を改善させることによって、陽性症状に間接的に影響を与える

③病気や治療に関する理解を深め対処法を学ぶ心理教育を重視する

の3つの原則が重要であるといわれます。

 

認知行動療法の実際の進め方

認知行動療法は、治療者と患者さんの対面式の面接が中心で、面接は原則として週1回で10~20回行いますが、患者さんの状態に合わせて延長する場合もあります。

また、場合によってはフォローアップ面接を行うこともあります。

 

認知行動療法では、「ホームワーク(宿題)」といって、面接で話し合ったことを「実生活で検証しながら、認知の修正をはかることが必須の課題となります。

 

治療の具体的な方法を、以下に簡単に記してみます。

 

1.患者さんの悩みや問題点、強みや長所などをピックアップして治療方針を立て、それを患者さんと共有しながら面接を進めていきます。

 

2.行動的技法を用いて、生活のリズムを作っていきます。その際に、毎日の生活を振り返り、活動内容を次の3つに分類します。

 

 ①日常的に行う決まった行動

 ②優先的に行う必要のある活動

 ③楽しめる活動や、やりがいのある活動

 

これらの活動に優先順位をつけて、行動を徐々に活性化していきます。特に、楽しめる活動や、やりがいのある活動を増やしていくことは効果的です。

 

また、一定の身体活動や運動を行うことで、自信やコントロール感覚を取り戻し、他の人とのかかわり体験をもてるようにしていったり、問題解決技法を使って症状に影響していると考えられる問題を解決していったりして、適応力を高めていくようにします。

 

3.自動思考に焦点をあて、なぜそう思うのか、その根拠と反証を検証することによって、考え方のかたよりや認知のゆがみを修正していきます。

 

最後に治療全体を振り返り、変化した点とその方法を確認します。

再発を防ぐために、今後の課題や症状が悪化したときの予防法などを話し合います。

 

私の認知のゆがみ

今回の記事の内容をまとめてみて、改めて感じたのは「私は本当に認知が歪んでいるんだな」ということです。

認知のゆがみの例に挙げたような内容は、ほとんどが自分に当てはまっています。

 

自分でそう思うだけでなく、統合失調症を発症する以前から、近しい人や恩師などから、こういった認知のゆがみを指摘されることがありました。

 

まるで、なるべくして精神疾患になったかのように感じてしまいます……。

 

私はこれまで認知行動療法に取り組んだことがなかったのですが、これを機にもう少し詳しく学び、主人にも協力してもらい、自分の生活にセルフケアとして取り入れることはできないだろうかと思いました。

 

f:id:sentimentalover:20210218112548j:plain

 

認知行動療法は、うまく実践できれば症状の改善に有効なだけでなく、認知のゆがみを修正することで、再発防止にも役立つそうです。

 

認知行動療法などのリハビリが行える機関については、主治医の先生や地域の保健センター、精神福祉保健センターなどに相談してみてください。

 

 

参考文献:『統合失調症 正しい理解とケア』 白石弘巳(高橋書店

 

 

【追記】

セルフケアで認知行動療法に取り組み始めました。

簡単に内容を説明していますので、興味のある方読んでみてください↓↓

sentimentalover.hatenablog.com