サウナにて
この間、いつもの温泉でブログに書きたいなと思う出来事があったのだけれど、調子を崩してしまって書けずにいました。
数日経った今でも覚えていて、素晴らしいなと思ったので書きたいと思います。
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身体に塩を塗りこんで入る、スチームが出るタイプの「塩サウナ」が私は好きで、この間も入りました。
サウナ室の中には水道と桶があって、出る際には座っていた場所を水で流していくマナーになっています。
私ははじっこの席で壁を向いて体育座りしており見ていなかったのですが、70歳くらいのおばさんAが、こちらも70歳くらいと思われるおばさんBを注意し始めたんです。
内容は、出て行こうとしたおばさんBが水場で身体を流し始めたらしく、「ここは身体を流すところじゃない。席を流すための水なんだ」と言うものでした。
言っていることはその通りなんですが、おばさんAの言い方はちょっと威圧的に感じました。
良かれと思って
叱られたおばさんBは、そうですかと言った後に「でも塩が身体についたまま出て行って良いんですか?ここで流すのかと思って」と答えました。
このサウナでのマナーとは違ったけれど、おばさんBなりの考えがあってやった行動だったんですね。
でも反論されたと感じたらしいおばさんAは、さらに語気を強めて「ドア出たらすぐに掛け湯もシャワーもありますよ。みんなそこで流してますよ。みんなそうやってるんだから!」と言いました。
おばさんBは言われた通りに席を流して、出て行こうとしたんですけれど、そのときにおばさんAに声をかけたんですよ。
常連さんなんですか?
おばさんBは、出ていく際に「常連さんなんですか~?」とおばさんAに向かって声をかけました。
「そうですよ!毎日来てますよ!」と強気に答えるおばさんA。
どうして常連なことが偉いことみたいになるんだろうと、正直ちょっと滑稽でした。
「そうなんですね~。私、初めて来てみたんです~。ではどうも~」と、おばさんBは明るく出て行きました。
いくら合ってることだからって、あんな言われ方したのに、おばさんBは人間が出来ているな~と尊敬の念を抱きました。
こういう時に、「すいません、私初めてで分からなくて」って言い方で謝っちゃう人いるじゃないですか?
そうすると勢いに乗っている相手は「初めてだって周り見たら分かるじゃないのよ」とか「ちょっと考えたら常識でしょ」とか、重ねて怒る人いますよね。
でもおばさんBは、常連だと胸を張るおばさんAの気分を良くさせてあげて、怒らせないように初めて来た旨を伝えてにこやかに去って行ったわけです。
お風呂を出た後に主人にもこの出来事を伝え、そうやって振る舞える人になりたいけれど、ほど遠いねぇと話しました。
確かに私たちは、トラブルに遭遇したときまだまだ血の気が多い。
でもこの出来事を見て、素晴らしい対応だなと受け取るアンテナはひとまず持っているので、あとは年齢を重ねる中で上手く振る舞える人になっていけたらと思います。
温泉。
ホントにいろんな人がいます。