家族が心がけるべき要点3つ
統合失調症の回復のためには、家族の協力が欠かせません。
家族の対応によって、患者さんの回復は大きく左右されるといっても過言ではありません。
患者さんを支え、再発させないためにも、家族が心がける点は主に次の3つです。
①批判的になりすぎない
②過保護になりすぎない
③情緒的に巻き込まれない
今回の記事では、1つ目の「批判的になりすぎない」について考えていきたいと思います。
本人と病気とを区別する
患者さんが無気力に見えたり、わがままになったように感じられることがあるかも知れません。
しかしそれは病気の症状のせいであり、患者さん本人に問題があるわけではありません。
また、統合失調症は、患者さんの努力や頑張りによって克服できるものではありません。患者さんのやる気の問題ではないのです。
高望みをしない
回復を望んで急いでしまうあまり、家族が高い目標を設定してしまうことがあるかも知れません。
しかしそうすると、つい患者さんに対して無理なことを要求しがちです。
あせらずに、長い目で見守ることが必要です。
ゆっくり、少しずつ
希望をもって、目の前の小さな目標をひとつひとつ達成することを目指しましょう。
回復のスピードは、人によってまちまちです。
再発しないように回復していくためには、患者さんのペースに合わせて、少しずつ進んで行くことが大切です。
患者さんの話をよく聞く
家族は、患者さんの幻聴や妄想などに過剰に反応しないように注意しましょう。
じっくりと話を最後まで聞き、その真意を理解するように努めることが大切です。
幻聴や妄想は、患者さんにとっては真実です。それを頭ごなしに否定せず、怖い思いや不快な思いをしているというきもちに寄り添ってあげてください。
対立はできるだけ避ける
統合失調症の患者さんの考え方や見え方は、ときに他の人とは違うところがあります。
どちらが正しいかだけを問題にすれば、無用な対立と不和を生むだけです。
対立しそうになったら、家族はいったん立ち止まり、なぜ患者さんがそう思うのかを冷静に考えて対応することが大切です。
「しつけ」ではなく「交渉」を
朝はきちんと起きなさい、服を着替えなさいなど、「しつけ」をしようとしてしまう家族がいるかも知れません。しかし、患者さんは見下されたと感じ、反発を覚えるだけです。
上から目線でしつけるのではなく、対等な立場で患者さんと「交渉する」きもちで接すれば、言葉遣いも丁寧になり、分かってもらおうと努力した接し方になるのではないでしょうか。
そういった態度であれば、患者さんは「大人として扱われている」と感じることができます。
私の経験
私は家族がなかなか病気の知識をもってくれず、簡単に回復するものと思われていたせいで辛い思いをしたことがあります。
同じ年や年下の人たちがどんどん就職していくことに焦って苦しみ、しかしとても働けるような状態ではなかったときに、父親に求人情報誌を渡されたことがあります。
発狂して自室にこもっていると、母が顔を出し、「お父さんのきもちも分かるよ。親って言うのは心配なんだよ」と、優しい言葉に見せかけた追い打ちをかけられました。
両親は未だに、このときのことが私をどれだけ苦しめたか分かっていないと思います。私は今でも、思い出すと感情が爆発しそうになります。
患者さんのきもちや病気の予後についての正しい知識をもっていないことはもちろんのこと、回復を急いで、勝手に次の目標を高く設定してしまうことは、患者さんの状態を悪くしてしまうこともあります。
患者さんを批判せず、きもちや病気の状態を理解してあげてください。
次の記事では、2つ目の「過保護になりすぎない」について考えていきたいと思います。
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